クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)

オステオパシー(全体バランスを整える整体法)の中に、クラニオセイクラルセラピー(頭蓋仙骨療法)があります。このセラピーは、オステオパシーの創始者であるアンドリュー・テイラー・スティル博士(1828〜1917)の直弟子だったウィリアム・ガナー・サザーランドによって開発されました。『側頭骨(耳がついている骨)が魚のえらのような形をしていて、頭蓋骨は動きながら呼吸をしている。』ことを発見し、頭蓋骨の動きを調整することで、脳と延髄を包む膜(軟膜・くも膜・硬膜)の中を流れている脳脊髄液の循環を良くして、全体のバランスを整えて自然治癒力を引き出す治療法です。サザーランドは頭蓋骨・背骨・仙骨が、頭の呼吸とともに一体化して一定のリズムで力強く均一に動くことが、健康を維持する上で重要であると考えました。

クラニオ・リズミック・インパルス(頭蓋骨の呼吸運動)

基本の頭蓋骨の呼吸運動(クラニオ・リズミック・インパルス)は1分間に 6~12回のサイクルで起こり、体幹から四肢末端まで波のように一定のリズムで動いています。鍼灸や整体の要である効くツボを探すためにはこの頭の呼吸運動が弱いポイントを探さなくてはなりません。当院ではそのリズムを頭だけでなく全身のバランス調整の診断に使ったり、頭の呼吸運動を利用して、全身から脳脊髄液を流す治療を行っています。最終的に力強く頭の呼吸が全身に力強く拡がっていけば、施術は終了となります。 

脳脊髄液は医学的には脳の保護・栄養補給・圧力調整をしているため、クラニオセイクラルセラピーによって脳の血流改善が起こります。特に延髄の心臓血管中枢は、心拍数や血圧を制御するための司令塔として機能するため、脳脊髄液が流れることで心臓の機能改善が起こります。心臓機能と消化機能が連動するため、クラニオセイクラルセラピーによって、脳→心臓→消化器の順番で整っていきます。東洋医学の最重要臓腑である腎臓・肝臓は、消化器のバランスが良い状態があってから正しく機能するので、当院では整体や鍼灸で頭の呼吸を整えてから、背骨の調整を行っています。

バランス調整の流れ

頭の呼吸を整える整体を続けることで、次のように身体のバランスが整っていきます。

  1. 頭の呼吸運動の改善、首こり・ストレスで脳圧が高くなって圧迫されていた脳神経がゆるむ
  2. 副交感神経(リラックスする神経)の活性化
  3. 不足していた内臓器官(心臓→消化器→その他の臓器)に血流改善
  4. 姿勢と呼吸が整うことで体質改善